民家の再生
江戸後期 「本棟造民家」 Ts邸

長野県飯田下伊那地区の、中核都市である飯田市座光寺地区は、天竜川により形成された河岸段丘の中段部にひろがる豊かな農村地区です。
座光寺地区全体が農業振興地域を継続してきたため、南信州独自の農村原風景が今なお引き継がれています。
各戸の耕作地は養蚕業から他種へと変わりましたが、耕作地を介して適度な間合いで民家が点在し、
養蚕全盛時の養蚕建築と江戸後期からの本棟造を合わせて約40棟程が住み継がれ、Ts邸はその中の本棟造民家です。

工事記録

  • 外部・内部再生
  • 再生前
  •  
  •  
  •  
  •  

【外部】

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新緑に溶け込む本棟造・再生民家です。
細部の造作材には手を加え、現時代性を加味しています。

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【内部】

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玄関部東面です。
造り付け収納は修復使用し、玄関上部は元来の吹抜空間に改修しました。

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玄関部西面です。板戸西面の上下座敷、一間廊下はそのままの形状です。
右側円窓は、御両親和室の換気窓です。

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玄関吹抜ホールを見上げた形態です。
天井の170年近い竹天井は、そのまま残しています。

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本棟本来の木割りモデュールに戻され、木組をアラワシた台所・食堂です。
夏の通風・冬の薪ストーブによる一室暖房の為の欄間と開閉式トップライト
を随所に設けました。

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箱階段のあった「おへや」は居間に再生されました。
二階の小屋裏食堂共ランマを介して、ワンルーム化しています。

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新設されたランマ等の開口部により、バイオ熱源の薪スト-ブで、四間の
全室暖房を可能にしています。

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上座敷の壁はしっくい塗に修復。タタミ交換、クリーニング
程度に押さえ、匠の技を継承しています。

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建具張替え・床内はクロス仕上・畳のみ交換、他はクリ
ーニングとローコスト再生を目指しています。

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ヒノキ集成材による洗面カウンターです。腰板は杉材を
使用しています。

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洗面所隣のトイレです。カウンターはヒノキ材、腰板は
杉材です。

 

 

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江戸後期(天保13年)から住み継がれる

堂々たる本棟造民家です。本棟本来の穏か
な3寸勾配の美しい形態を継承しています。

 

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玄関部東面です。造り付け収納も当時の
ままで、使い継がれてきました。

 

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玄関板の間上部の吹抜です。養蚕用物置の
為に小屋梁が一部組み替えられています。

 

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正面が平成初期に改修された居間部です。

 

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二階小屋裏へ上がる階段部です。

 

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元来作業用の土間空間が、昭和初期に養蚕
用桑置き場に用途変更され、板張りになり
ました。

 

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玄関部西面です。板戸の西面が10帖の上・
下座敷へと続きます。

 

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平成初期に改修された食堂・居間です。
民家の木割りモデュールに修復し吹抜空間
に再生されます。

 

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中通り下座敷から「しもで」「上座敷」へ
の視点です。

 

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中通り「おへや」から広縁へと連続します。
右側に見えるのが箱階段です。

 

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中の間から「しもで」板張り部への視点です。

 

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中通り「おへや」には、二階小屋裏に上が
る箱階段が残されていました。天井が撤去
され、吹抜空間の居間として再生されます。

 

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板張りの床下には、明治の後期、養蚕盛業時に掘られた
桑収納庫が残されていました。

 

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内壁が繊維壁に塗り替えられた以外、170
年来伝承された上座敷10帖間です。

 

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文化文政6年(1810年)の鬼瓦が残され
ています。おそらく現存する建物以前の
鬼瓦と推定されます。

 

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各土蔵長屋には全て棟札が残されていました。

 

 

玄関部東面です。
造り付け収納は修復使用し、玄関上部は元来の吹抜空間に改修しました。

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玄関部西面です。板戸西面の上下座敷、一間廊下はそのままの形状です。
右側円窓は、御両親和室の換気窓です。

 

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玄関吹抜ホールを見上げた形態です。
天井の170年近い竹天井は、そのまま残しています。

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本棟本来の木割りモデュールに戻され、木組をアラワシた台所・食堂
です。夏の通風・冬の薪ストーブによる一室暖房の為の欄間と開閉式
トップライトを随所に設けました。

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造り付け配膳カウンター・壁面カウンター等、全てヒノ
キ集成材を加工したものです。

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箱階段のあった「おへや」は居間に再生されました。
二階の小屋裏食堂共ランマを介して、ワンルーム化しています。

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新設されたランマ等の開口部により、バイオ熱源の薪スト-ブで、四間
の全室暖房を可能にしています。

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上座敷の壁はしっくい塗に修復。タタミ交換、クリーニ
ング程度に押さえ、匠の技を継承しています。

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建具張替え・床内はクロス仕上・畳のみ交換、他はクリ
ーニングとローコスト再生を目指しています。

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ヒノキ集成材による洗面カウンターです。腰板は杉材を
使用しています。

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洗面所隣のトイレです。カウンターはヒノキ材、腰板は
杉材です。

 

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江戸後期(天保13年)から住み継がれる
堂々たる本棟造民家です。本棟本来の穏か
な3寸勾配の美しい形態を継承しています。

 

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玄関部東面です。造り付け収納も当時の
ままで、使い継がれてきました。

 

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玄関板の間上部の吹抜です。養蚕用物置の
為に小屋梁が一部組み替えられています。

 

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正面が平成初期に改修された居間部です。

 

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二階小屋裏へ上がる階段部です。

 

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元来作業用の土間空間が、昭和初期に養蚕
用桑置き場に用途変更され、板張りになり
ました。

 

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玄関部西面です。板戸の西面が10帖の上・
下座敷へと続きます。

 

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平成初期に改修された食堂・居間です。
民家の木割りモデュールに修復し吹抜空間
に再生されます。

 

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中通り下座敷から「しもで」「上座敷」へ
の視点です。

 

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中通り「おへや」から広縁へと連続します。
右側に見えるのが箱階段です。

 

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中の間から「しもで」板張り部への視点です。

 

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中通り「おへや」には、二階小屋裏に上が
る箱階段が残されていました。天井が撤去
され、吹抜空間の居間として再生されます。

 

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板張りの床下には、明治の後期、養蚕盛業時に掘られた
桑収納庫が残されていました。

 

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内壁が繊維壁に塗り替えられた以外、170
年来伝承された上座敷10帖間です。

 

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文化文政6年(1810年)の鬼瓦が残され
ています。おそらく現存する建物以前の
鬼瓦と推定されます。

 

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各土蔵長屋には全て棟札が残されていました。

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