「長野県施設課」発注のプロポーザル入選作品です。
飯田大火の難を逃れた地区には、大正・昭和期の様式建築が
大切に使いつがれています。
その様な保存意識高揚を考慮し、様式建築の形態を
モチーフにしてみました。
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朝日を浴びた早朝風景です。背面には伊那谷の「風越山」
が迫ります。
左右の樹木は、意図的に残るよう配慮しました。
正面の「サイン計画」も、建築物と同一イメージで
デザインしてあります。
駐車場との境界線のネットフェンスが、やや無機質の表情に
感じられます。
植栽等でウォールカバーをすれば、表情も生まれ「消熱効果」
も期待できそう。
三本柱のアプローチ屋根は低く低く… 鼻先で2,200位に
抑えてあります。
隣の駐車場から撮ってみました。一般の方がこのアングルから視る事は余りないけど、
一番「凝様風建築」らしい表情をしているアングルでしょうか。
建物を印象づける「菱葺き」は大変手間のかかる工法ですが、雨仕舞いに優れた工法
です。
手間を費やした「板金技術士」の想いが伝わってきます。
手間を費やした職人芸の彫刻仕上のシンボル柱。
ランダムに貼ったレトロ調のモザイクタイル仕上です。
「擬様建築」の「職人魂」を再現しようと、
棟飾りの板金・タイル貼・左官工事等、皆で
頑張ってみました。
近代工法・省力化の進む中、やっぱり手間の
かかった成果物には人々を引きつける「価値
観」があります。
水廻りのプライバシー保護の木製格子です。
和と洋のイメージを融合させています。
事務室の小屋組を見上げたところです。間口は3間で
在来工法の 「格子組梁」で組み上げ、洋間トラスの
イメージも加えてあります。
当然ながらこの建物の使用木材も「県産材100%」
で組み上げています。
来客カウンターから事務室を見渡したところです。
客溜りの天井高は2,300に抑え、事務室の小屋組アラワシの
吹抜け空間へと移動します。
照明器具は、木製ルーバー・格子組梁のBOX内に
埋め込まれています。
客溜りの正面に、掲示壁が見えます。待合ベンチも地域産
スギ材を 加工したものです。
男性職場の中の婦警さんの水廻りは
可愛らしくピンクに…
ピンクが女性向きというのも単純な
『おじさん的発想』かも。
風除室から仕事をしている皆さんが、カッティング
シートを貼ったガラス越しにチラリと伺えます。
H18年3月竣工 木造平屋 125㎡(飯田市)