改築工事から早7年が経過し、玄関アプローチを和風庭園に造り上げる事
になりました。 繊細で端正な和風空間を目指し、素朴感・ディテール探
求迄、期間を費やし完成したものです。
手前が小振りの「梅見門」で後部が「待合」であり、
三百年来の庭園と区分してあります。
手前の自然石のコバ立ては、解体前の塀に使用していた控え石です。
待合の柱は3寸のさび丸太、脚掛は桧の厚板と黒竹を並置し、
外壁はジュラク壁にワラ材を塗りこんであります。
格式ある旧家の屋号板をランマ部に仕込みました。
タル木は芽付白竹と赤身の杉板を使用、下地窓は現地
製作です。
待合を背面、旧庭園側から見た所です。
簡素な「梅見門」にも屋号板を取り付けました。
屋根は杉板を「さらし竹」にて留めてあります。
梅見門と中待合の詳細図です。
あまりお目にかかれない良質な杉の赤味材とさび丸太です。
外回りの塀も新たに改修しました。旧家らしい「屋敷林」
の一部が隅部に残されています。
棟は粘土の素丸瓦、屋根は銅板横葺のシンプルなデザ
インです。
ヒバ材の土台の一部に、横長スリットを設け、内外の
連続性を演出しています。
H21年6月竣工(飯田市)