我が国は、森の国としてその恩恵にあずかり、木の文化を継承して
きました。
南信州伊那谷では地場の林業活性化を目指し、木材加工工場等により
後継者の育成と森林の保全に取り組んでいる自治体もあります。
こんな農林業に対する想いから、信州らしい「純木造温泉交流施設」
を公共施設の一つの指標として、南信濃にて提案してみました。
交流・温泉・産業
温泉交流施設『かぐらの湯』
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機能別に小屋組に変化を与え、多機能な屋根形状が中庭を囲むように
重なり合う形態。
遠山川対岸からの「かぐらの湯」全景
迫る山並みと遠山川との平地に建つ「温泉交流施設」
回遊する歩行空間から、河岸に向け開口部が開いている。
純木造による温泉交流施設…上棟風景
各機能別に施工工程を分けて施工している。
浴室棟上棟風景
手前が屋根付きの露天風呂
山を植林し、間伐・管理をするという事・・・そこには人と自然が共生していく姿があります。
良質な国産材を、安く供給できる仕組みはないものか・・・又、工業化により失われつつある
木工技術・伝統技術を後世に伝える方法はないものかという願いがあります。
男女浴室棟を見る
R状の越屋根は浴室の自然換気を考慮したもの
50Rのムクリをつけた大屋根の玄関ポーチ
公共建築のシンボリック性、木造大空間を素直に表す大屋根は、
やや局面の「ムクリ屋根」とし、山並みに同化を計る。
玄関から吹抜空間へと導かれる動線を素直に表した屋根形態。
上部ランマ開口により自然換気を確保している。
遠山川に開放された屋外できを備えた交流コーナー。
手前に藤森先生の石像が見える。
玄関ホール・休憩コーナー・脱衣室等
機能別に異なる屋根が架構されている。
中庭には藤森先生の見事な石像が設置されている。
「かぐらの湯」入口にある、総合案内所「あんばまい館」
遠山郷の事ならなんでもわかる情報発信施設である。
かぐらの湯に隣接している農産物直販施設。
南信濃の特産品であるお茶(紅茶)「うまいんだに」
などを加工販売しています。
化石エネルギーからバイオエネルギーへの転換を考え、
ペレットボイラーを設置しました。
良質な地域産材の桧・杉材を採取し、地元の職方により「地場工法」
で組み上げ、地域性・を強く表現している。
水位が高いため、飲料水以外は地下水を使用している。
300Φの桧丸太を一間ごとに配した歩行路の列柱空間
使用木材量は、一般住宅の14~15棟分であり、大工人工だけでも
3,800人余りの労作。家具類でも伊那谷産の杉と桧を使用。
構造的にも、和小屋・上り梁・丸太材架構工法等、コーナー毎に
異空間を演出している。
構造的な工夫により、木造には稀な「大空間」を構成。
枝付丸太をシンボル柱に据えた「郷土料理味わい処」
イス・テーブルは全て杉材の加工品。
浴室棟のみ耐湿度を考慮し集成材を使用している
工業化製品を極力廃し、自然素材使用へのこだわりを重視。
左官仕事で土を塗る・自然石を積む・ハツル等、自然素材を
職人芸的に仕上げる「手づくり的な建築物」を主題にしている。
山杉から採取した枝付き桧丸太を丁寧に養生して現地に
搬入している。
子供達のためのかわいらしい石彫のイス類
女湯のみに設けられた「箱蒸し」
頭を出し、身体のみミストサウナ状態
女湯のみ階段状に深くなる「歩行路」が設けられている